介護にかかるお金

介護保険サービスの基本と
在宅介護にかかるお金編

介護保険制度とは、65歳以上になって介護が必要になったときに、利用料の一部を自己負担して、さまざまな介護保険サービスを受けられる制度です。40~64歳で特定の病気が原因で介護が必要になった人もサービスを受けられます。
ここでは、介護保険の基本と、在宅介護をする場合にかかる費用について解説します。

介護保険サービスの利用料の自己負担

介護保険サービスを利用すると、利用料の一部は利用者が自己負担し、残りは保険者(市区町村)が負担(給付)します。利用者の自己負担の割合は、原則サービス利用料の1割です。所得に応じて2割負担の場合もあります。また、介護保険を利用するためには、要介護の認定を受けることが必要で、その要介護度によって支給限度額が設けられています。限度額を超えて利用した分は、10割の自己負担となります。 *所得によっては、自己負担の割合が、将来的に変更される可能性があります。

要介護度別の1カ月あたりの支給限度額

要支援1 50,030円
要支援2 104,730円
要介護1 166,920円
要介護2 196,160円
要介護3 269,310円
要介護4 308,060円
要介護5 360,650円

支給限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、費用の自己負担額は原則として1割です。

在宅介護で利用できる介護保険サービス
(居宅サービス)

在宅で生活しながら受けられる介護保険サービスを居宅サービスといいます。居宅サービスには主に次のようなものがあります。

在宅で生活しながら受けられる介護保険サービスを居宅サービスといいます。居宅サービスには主に次のようなものがあります。

訪問系のサービス

訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問入浴介護などで、ヘルパーや看護師、各種療法士などが家に来るサービス

通所系のサービス

デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)などと呼ばれるもので、利用者が施設等へ通って受けるサービス

お泊りサービス

ショートステイと呼ばれ、介護家族の介護負担軽減などのために、短期間施設に泊まることができるサービス

福祉用具のサービス

車いすや介護ベッドなどの福祉用具をレンタルするサービスと、ポータブルトイレなどの特定福祉用具を購入できるサービスがある

住宅改修のサービス

段差解消や手すりを付けるなど工事を伴う住宅改修のサービス

それぞれの居宅サービスを組み合わせて、支給利用限度額内に収めて利用するのが一般的です。なお、デイサービスやお泊りサービスを利用する際に生じる食費や宿泊費などは介護保険給付に含まれないため、利用者が実費で負担することになります。

在宅介護にかかるお金

在宅の介護では、介護保険サービスの利用料の一部自己負担と実費以外にも、介護食や寝具・衣類、おむつなどの排せつ介助用品、医療費や交通費などにもお金がかかります。公益財団法人 家計経済研究所が2011年10月に行った「在宅介護のお金とくらしについての調査」の調査結果から見てみましょう。

この調査によると、要介護高齢者の介護保険サービス以外にかかっている費用の平均額は約32,000円です。そのうち介護食、介護用寝具や衣類、おむつなどの排せつ介助用品、そのほかの介護用品など直接介護にかかわる費用は約12,000円です。同じ調査では、介護保険サービスの利用料の負担額が平均約37,000円であるため、1カ月の在宅介護にかかるお金の合計は平均額約69,000円になります。

介護サービス以外にかかった費用

要支援1 19,058円
要支援2 24,362円
要介護1 28,618円
要介護2 36,517円
要介護3 25,053円
要介護4 48,874円
要介護5 36,192円
平均 31,998円