介護にかかるお金
施設に入所して受けるサービス編
介護施設に入所した場合も、介護保険サービスが利用できます。ただし、介護施設と一口にいっても、施設の種類によって、介護保険が利用できる条件や、かかる費用は大きく異なってきます。
今回は、介護施設の種類とその費用について解説します。
介護保険が利用できる施設
高齢者向けの介護施設は大きく分けると、介護保険が適用される公的な「介護保険施設」と、民間企業等が運営する有料老人ホームのような施設があります。「介護保険施設」に入所して介護を受けるサービスを「施設サービス」といい、要介護度別に定められている施設サービス費の原則1割、所得に応じて2割を負担します。食費・居住費は実費となりますが、おむつ代は施設サービス費に含まれています。一方、民間の施設は「特定施設」とされる施設に入所した場合に「特定施設入居者生活介護」という介護保険サービスを利用することができます。いずれの施設も各種加算により実際にかかる費用は異なります。
3つの介護保険施設とは
介護保険施設は目的別に次の3種類があります。
①重度の要介護者が生活上の介護サービスを受ける「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」②要介護者がリハビリなどを行いながら在宅復帰を目指す「介護老人保健施設」③長期療養が必要な要介護者が入所する「介護療養型医療施設」です。
なお、次の表の施設サービス費は、施設の形態、居室の種類、職員の配置などにより異なります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)にかかる費用
対象は、要介護3~5の人。要介護1・2の人は入所要件に該当した場合に入所が可能になる「特例入所制度」があります。
ユニット型個室とは、利用者が共有できるリビングを併設する個室です。施設サービス費のほかにも日用品費、理美容代、レクリエーション費などがかかります。
低所得の人の居住費と食費については、所得区分に応じて負担を軽減する制度が設けられています。
単価は地域によって異なります。表は基準の金額なので、都市部では高くなります。
表は、自己負担1割の人の場合です。
1カ月あたり | 多床室 | 従来型個室 | ユニット型個室 |
---|---|---|---|
要介護3 | 20,460円 | 20,460円 | 22,860円 |
要介護4 | 22,470円 | 22,470円 | 24,840円 |
要介護5 | 24,420円 | 24,420円 | 26,820円 |
+ | + | + | |
居住費(光熱費含む) | 25,200円 | 34,500円 | 59,100円 |
食費 | 41,400円 |
介護老人保健施設にかかる費用
対象は、要介護1~5の人。
ユニット型個室とは、利用者が共有できるリビングを併設する個室です。施設サービス費のほかにも日用品費、理美容代、レクリエーション費などがかかります。
低所得の人の居住費と食費については、所得区分に応じて負担を軽減する制度が設けられています。
単価は地域によって異なります。表は基準の金額なので、都市部では高くなります。
表は、自己負担1割の人の場合です。
1カ月あたり | 多床室 | 従来型個室 | ユニット型個室 |
---|---|---|---|
要介護1 | 23,040円 | 20,850円 | 23,220円 |
要介護2 | 24,480円 | 22,200円 | 24,570円 |
要介護3 | 26,310円 | 24,030円 | 26,430円 |
要介護4 | 27,840円 | 25,590円 | 28,020円 |
要介護5 | 29,430円 | 27,120円 | 29,550円 |
+ | + | + | |
居住費(光熱費含む) | 11,100円 | 49,200円 | 59,100円 |
食費 | 41,400円 |
介護療養型医療施設にかかる費用
対象は、要介護1~5の人。
ユニット型個室とは、利用者が共有できるリビングを併設する個室です。施設サービス費のほかにも日用品費、理美容代、レクリエーション費などがかかります。
低所得の人の居住費と食費については、所得区分に応じて負担を軽減する制度が設けられています。
単価は地域によって異なります。表は基準の金額なので、都市部では高くなります。
表は、自己負担1割の人の場合です。
1カ月あたり | 多床室 | 従来型個室 | ユニット型個室 |
---|---|---|---|
要介護1 | 22,350円 | 19,230円 | 23,010円 |
要介護2 | 25,440円 | 22,320円 | 26,100円 |
要介護3 | 32,130円 | 29,010円 | 32,790円 |
要介護4 | 34,980円 | 31,860円 | 35,640円 |
要介護5 | 37,530円 | 34,410円 | 38,190円 |
+ | + | + | |
居住費(光熱費含む) | 11,100円 | 49,200円 | 59,100円 |
食費 | 41,400円 |
民間などの「特定施設」の入居でかかるお金
介護保険によって「特定施設」の指定を受けている介護付有料老人ホーム、ケアハウス(軽費老人ホーム)、養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居した場合は、要介護認定を受けることで、入浴・排せつ・食事などの日常の介護やリハビリ、療養上の世話などを受けることができます。この介護サービスを「特定施設入居者生活介護」と言います。入居した施設がすべてのサービスを提供する「包括型」の場合は、費用は定額(1日の単価)設定です。入居している施設ではなく、外部のサービス事業者が介護サービスを提供する「外部サービス利用型」の場合は、費用を利用した介護サービスごとに支払います。いずれも原則として1割を負担します。なお、介護サービス費以外にかかる入居一時金、居住費、食費、日常生活費などについては、施設ごとに大きく異なってきます。
特定施設入居者生活介護「包括型」にかかる費用
対象は、要支援1・2、要介護1~5の人。単価は地域によって異なります。表は基準の金額なので、都市部では高くなります。
表は、自己負担1割の人の場合です。
介護度 | 1カ月(1割負担) |
---|---|
要支援1 | 5,370円 |
要支援2 | 9,240円 |
要介護1 | 15,990円 |
要介護2 | 17,910円 |
要介護3 | 19,980円 |
要介護4 | 21,900円 |
要介護5 | 23,940円 |
特定施設入居者生活介護「外部サービス利用型」にかかる費用
対象は、要支援1・2、要介護1~5の人。単価は地域によって異なります。表は基準の金額なので、都市部では高くなります。表は、自己負担1割の人の場合です。
基本料金(1日あたり)
55円(要支援1・2)、82円(要介護1~5)
+
外部の介護サービス利用ごと
介護福祉用具のレンタル費以外は通常の居宅サービスの約80~90%の費用