「すり傷・切り傷」

転倒したり、ぶつけたり……。お年寄りに限らず日常的においやすい、すり傷や切り傷。
でも筋力や皮膚表面の抵抗力が弱ったお年寄りの場合、ちょっとした大ケガになってしまうことも少なくありません。傷口を悪化させたり、傷口から細菌を侵入させないためには、早めの処置が肝心です。自宅ですばやく対応できるよう、日ごろから心構えや応急処置を覚えておきましょう。

お年寄りは些細な傷が大事に至ることも

免疫力の低いお年寄りは、傷口から細菌が侵入して増殖することにより、さまざまな疾病を引き起こすことがあります。こうした感染症から時には大事に至ることもあるので、清潔なガーゼや絆創膏ですぐに処置することが大切です。
また、料理中に包丁で指を切ってしまったり、ガーデニングの際に大きな刃が付いた道具で傷を負ってしまったりと、大量の出血を伴うケガの場合、出血性ショックにより大変危険な状態に陥ることもあります。できる限りの応急処置を施したら、速やかに医師の診断をあおぎましょう。

●高齢者の傷の対処法

  1. 転倒によるケガ
    筋力や視力の低下が原因で起こるお年寄りの転倒事故は後を絶ちません。特に多いのが、サンダルなどの履き物が原因で起こるつまずきや、段差での踏み外し、自転車での転倒事故です。未然に事故を防ぐためにも、普段から家族や周囲の人たちが、お年寄りの周辺環境に気を配ることが大切です。
  2. かゆみによるひっかき傷
    皮膚が老化すると脂腺や汗腺の働きが低下して乾燥しやすくなり、衣服などのわずかな刺激でもかゆみが起こりやすくなります。これを「老人性皮膚そう痒症」といいます。多くはかゆみ止めを塗ることで改善しますが、かき壊してひっかき傷まで悪化してしまうこともあります。かゆい部分を観察をして発疹や水疱がないかどうかを確認し、皮膚や結膜の色も調べたうえで早めに受診することが大切です。また、普段の生活においては入浴時にナイロンのタオルでゴシゴシ体をこすると、肌が傷ついて敏感になり、かゆみをよりひどくすることがあります。オーガニックコットンなど自然素材のタオルを使用してやさしく洗いましょう。
  3. 床ずれによる傷
    床ずれとは、長時間同じ姿勢で寝ていることが原因で骨が突き出た部分に体重がかかり、血流が悪くなって皮膚の組織が崩れてしまう状態のことをいいます。最初のうちは肌が赤くなる程度ですが、悪化すると筋肉や骨にまで広がってしまうこともあります。床ずれを悪化させないためには早期発見が第一なので、周囲の人はお年寄りが裸になったときに肌が赤くなっていないかを確認して下さい。床ずれは、こうした初期症状でもお年寄りには大変な苦痛になります。予防には、起きている時間をできるだけ長くする、シーツや衣服、体を清潔に保つ、栄養バランスのいい食事をすることが大切です。

●高齢者に多いケガや傷

  1. 傷口をきれいに
    傷をつくったときの環境によって、傷口に砂利やゴミなどがついてしまいます。
    まずはていねいに傷口を洗い流しましょう。
  2. 傷をカバーする方法
    傷口との摩擦を減らすため、傷パッドや絆創膏を貼りましょう。最近は空気だけ通して水を通さない絆創膏も販売されています。皮膚にジュクジュクとした化膿が見られる場合は、化膿を悪化させないよう清潔なガーゼで覆いましょう。また、皮膚が弱いお年寄りはガーゼや絆創膏をはがす際、傷口にガーゼが貼り付いて皮膚が一緒にはがれてしまうことがあるので、必ず水で濡らしてからゆっくりとはずします。傷パッドや絆創膏によるかぶれにも注意してください。
  3. 止血する方法

    傷や出血がひどい場合は、傷口に触れたり、異物を無理に取り除こうとすると、出血がひどくなることもあるため、一刻も早く病院で診てもらう必要があります。また、応急処置として止血の方法を覚えておくことも大切です。止血には、清潔な布やガーゼを傷口に当てて、その上から強く押さえて圧迫する方法と、傷口を包帯で強く巻き、体に数ヶ所ある止血点と呼ばれる場所を押さえる方法があります。出血部位によって止血点は異なるので、右図を参考にして下さい。

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